東西文明の宝庫、それがシルクロードの終着駅、正倉院であります。 染織品の文様は舶載品のみではなく天平の人々が夢とあこがれの内からオリジナルを創りはじめ、その後の発展の上に非常に大きな影響を残し、日本染織の原流をこの正倉院裂に見ることができます。 中でも鳳凰は想像上の瑞鳥で「飛べば郡鳥これに従う」というように鳥王と称され君子が世を太平に治めた時だけ現れるといわれます。 まさに吉祥文の代表といえる帯です。