日本人の心情をまことによく写しているという桜花国論に抗して、日本は松によって代表され「松国」であるとも謳いあげられています。
松のあらわす表情は多様でありますが、古代のいずれの世界でも巨大な樹木はそれ自身が神聖な存在でありましたし、常に成長してやまぬ常縁の樹は活動している生命のしるしでありました。日本では紙の依る木として門松などにされ、古くから長寿や慶賀を表すものとして尊ばれています。
日本のみならず、文様とは多少にかかわらず常に吉祥の意味を持つといえます。その吉祥の意匠は永遠に人類の歩みとともにあり、人々を幸せにする存在であるのです。